規格説明

AWS/JIS規格に関する概要と製品製造仕様に関して                                                                                    

この規格は、性能等を表す規格でなくあくまでも品質基準を一定に保つ為の標準規格でその物が何かを知る為に設けられています。
よくJIS規格品を通っているのかと、聞かれたりします。JIS認定工場で製作するか、規格に基づき製造しそれより高い品質で作る物は相当とか該当とかが使われます。
今回のEC-YGW16は、(中国規格適合GB/T8110-1995/アメリカ規格相当AWS ER70S-3、に基づき製作しJIS YGW16の強度、化学成分を相当し混合ガス仕様として製作しました。
日本のメーカーと比較しても劣ることなく、高品質で安心してご使用ご販売をして頂けます。

【1】溶接ワイヤのJIS規格に基準としてZ3312YGW**が有ります。この規格の意味を下記に内容をまとめてみました。

度分類
■軟鋼及び50kg級(490Mpa)溶接ワイヤ
・YGW11から14がCo2(炭酸ガス100%) 溶接として
・YGW15から17が混合ガス(Ar80%+CO2 20%)溶接として

■軟鋼および60kg級(590Mpa)溶接ワイヤ
●540N/mm2
・YGW18はCo2(炭酸ガス100%) 溶接として
・YGW19は混合ガス(Ar80%+CO2 20%)溶接として

●550から610N/mm2
・YGW21から22がCo2(炭酸ガス100%) 溶接として
・YGW23から24が混合ガス(Ar80%+CO2 20%)溶接として

 

【2】溶接電流電圧方法分類
YGW11,13,15,18,21,23は大電流溶接向き
YGW12,14,16,17,19 低電流溶接向き

 

【3】成分分類
YGW11,13,15,18,19,21,23は、添加元素でTi、Al等を含む
YGW14,17,22,24 Mn、Siの添加元素に規定値無し
YGW12,Mn,Siの添加元素に規定値有り(高マンガン(1%以上)
YGW16,Mn,Siの添加元素に規定値有り(低マンガン1%未満)

 

【4】強度値、シールドガスの分類、強度の単位
■YGW11,12,13(CO2/100%)15,16(Ar-20%CO2)

・引っ張り強度 (切れる強度) 490N/mm2以上
・降伏点     (曲がる強度) 390N/mm2以上
・伸び率    (伸びる強度) 22%以上
・衝撃値    (疲労強度)  27J/0℃
(YGW11は、 47J/0℃)

■YGW14(CO2/100%),17(Ar-20%CO2)

・引っ張り強度 (切れる強度) 420N/mm2以上
・降伏点     (曲がる強度) 345N/mm2以上
・伸び率    (伸びる強度) 22%以上
・衝撃値    (疲労強度)  27J0℃

■YGW18(CO2/100%),19(Ar-20%CO2)

・引っ張り強度 (切れる強度) 540N/mm2以上
・降伏点     (曲がる強度) 430N/mm2以上
・伸び率    (伸びる強度) 22%以上
・衝撃値    (疲労強度)  47J0℃

■YGW21,22(CO2/100%)(-5℃)
  23,24(Ar-20%CO2)(-20℃)

・引っ張り強度 (切れる強度) 570N/mm2以上
・降伏点     (曲がる強度) 490N/mm2以上
・伸び率    (伸びる強度) 19%以上
・衝撃値     (疲労強度)  27J
(YGW21,23は47J)

 

【5】強度の単位
Mps     (内圧力強度)
kg/mm2 (引っ張り切れる強度)
N/mm2   (重力、圧力強度)
Kgf/mm2  (重力、応力強度)

●アメリカ溶接協会比較
引っ張り強度 72000PSI (50kg/mm2)
AWS ER70S-2, YGW11,13,15
3,4,YGW16
5,G,YGW14,17
6,7,YGW12

 

【6】使用方法注意点 Co2溶接では、マンガン等の元素の配合%により高張力鋼板溶接でも軟鋼になってしまいますので注意いして下さい。弊社は発行の使用手順書、PIM(プロダクツインフォメーションマニュアル)ご参考ください。

 

【7】自動車板金おいては

●CO2(二酸化炭素Carbon dioxide)の問題理由
活性ガスのCO2は、溶接中6000℃以上のアーク温度で通電されると、酸素と一酸化炭素にアークの先端で解離します。酸素はアークを強くして
溶け込みを深くします。一酸化炭素は溶着金属中の炭素含有量を2~300%の増加させ溶着金属は硬化します。硬くなると強度が上がりますが
衝撃に対しては脆くなります。特に超高張力鋼板は酸化金属や境界部がカーボンピックアップの為に強度が低下して適合しない為です。そして
アークの底でO2とCOの分子が再結合して、溶接スパターを発生します。従って溶接性と靱性がなくなり薄板高張力鋼板の自動車ボディーには不
向きと考えられます。

●Ar+CO2(アルゴン+二酸化炭素混合Argon + Carbon Dioxide Mixtures)を推奨理由
溶接中6000℃以上のアーク温度の中で不活性ガスのArは化学変化せずにイオン電子量が発生し酸化抑え、材質に応じてCO2を2-30%の混合
率により溶接部を適度により広くより深く浸透します。そして分離した炭素は硬化相層を作り、酸素はアークを安定させ、溶接部のアンダーカット傾向
と溶融池はアルゴンより低い表面張力になり溶接ビード断面を平らにするために母材に濡れ性を発揮します。Arが70%以上を超えると微粒子のスプ
レー移行に導き、スパッターの発生が低減されます。従って溶接性と靱性が高くなり薄板高張力鋼板の自動車ボディーには適切と考えられます。